誰もができることをできるようにして価値を生み出し
笑顔で幸せに暮らせること。
実現できたらそれはとても幸せな社会ではないかと思うんです。
10年くらい前に、障がい者の平均工賃が1万円を切ることを知って、その時の自分にできること・・・と考え、ご縁をいただいた工賃向上をサポートし、働く障がい者を増やす活動をしている会社にお世話になりました。
その後、現在のような仕事になっているのですが、
常に施設の方や、取り組まれている方とのご縁は切れることなく
定期的につながり、その度に何ができるだろうか?と自問自答し続けていました。
そのご縁のひとつが、3pm 〜さんじ〜さんの取り組みです。
社会福祉法人 湘南の凪 mai!えるしぃ さんとコラボして様々なおやつを作られています。
誰でもが作業をできるように配慮して仕組み化して実行して、改善する。
この繰り返しで、利用者のみなさまができるだけ多くの仕事をできるように、人に依存しない仕組みをつくられています。
本日、はじめての見学会を開催されるということで、いの一番にお邪魔してまいりました。
入り口です。
朝礼が終わり、作業準備中の風景です。
私たちも衛生のために利用者の方に教えてもらいながら身づくろいして作業されているところにお邪魔します。
これはパッケージ用のリボン的な紐。あらかじめ長さを測り切ってから準備しています。この紐にしたということもとてもとても工夫してのこと。
いれものの袋に丁寧にハンコを押す方もいます。一日中でもこの作業ができる、その集中力は驚くほどです。
クッキーをきちんと並べられるようなガイドも商品に合わせて作ります。
他にも品質を均一化するための工夫がいっぱい!
利用者の方も、みんな丁寧に作業をしています。
そうしてできた凪せん3種類。
そのまま食べても、クリームチーズなどを載せてクラッカー風にしても美味しいです。
さんじさんのベジクラ。お野菜や素材の味がしっかり。
ディップと一緒がおすすめなんです。
ベジクラはコロカル商店でも購入できます。
http://ringbell.colocal.jp/products/detail.php?product_id=3029
さんじの代表横田さんから伺ったお話は、本当に日々どんどんできることが増えていって驚いているということを始めたくさんのことがあったのですが、素晴らしい施設スタッフのみなさんと一緒にされているんだなぁと思ったことをいくつか。
「捏ねる」という作業が理解できなかった方がわかるように捏ねる作業を「ぎゅっパッ」という擬音で表現してできるようになったということ。
普通でも難しい、生地をさっくりと混ぜる時も「切って切ってクルリンパ」で、上手に出来る人がいる。
こういうことを聞くと、私たちがコミュニケーションを取り合う時とあまり変わりがないようにも思います。
その人に伝わる言葉で伝えること。
伝わったらできるようになること。
障がいのある方たちは、私たちが「普通」と思っているスピードや量は難しいけれど、作業は丁寧にきちんとできる。
私たちが気付いていないこともたくさんある。
もっともっと出来るような仕組みを作ればできることはたくさんある。できることなんていう上から目線じゃなくて力になる。
その仕組みに取り組むことを決めて1つ1つ形にされたさんじさんを尊敬します。
大学との産学連携で作った商品を、社会福祉法人で製造する新しいかたちを作られました。
2013年にさんじさんのチームとしての未来を描くフューチャーマップをファシリテーションさせていただきました。
その際にも、このコラボレーションの話が出てきていたなぁと、思い出した見学会でした。
私が、この夏にふと気付いたのは、障がい者の施設の製品・商品は、「障がい者のつくったもの」という括りで売られていることがほとんどです。
私たちが日常買い物をする場にはめったにありません。
もしも、手にしていいなこれ、と思って購入したらそれが障がいのある方が作った商品だった。そんな流通ができたらもっともっと売れる可能性が広がるかもしれないと思ったのです。
もちろん、生産量の問題、品物の価値の問題、デザインの問題とはありますが、普通に売っていても手に取ってしまうものも多々あります。
このような取り組みへも良い刺激をいただきました。本当に良い機会をいただき感謝します。
mai!えるしぃの利用者、スタッフのみなさま、3pm〜さんじ〜のみなさま、ありがとうございました!